70代男性 待合室で意識消失

 

【主訴】意識消失

【現病歴】

 /24夕食後より腹部膨満感が徐々に出現した。

 家族から見て動きが鈍くなっていた。

 /25 朝、外出から帰ると胸部違和感を訴えた。

 10時頃、妻に勧められてニトロ舌下錠を服用。

 それでも、体がきつそうに見えたため、かかりつけ医を受診した。

 診察を座って待っていたところ、左耳の聞こえにくさを自覚、

 生あくびを数回し始めた。その直後、突然手足を突っ張り、ほぼ

 同時に意識を消失した。呼吸は停止しており、5分?ほど意識消失

 が続いた。冷汗あり、顔色は真っ青であった。

 脈は確認しなかったが、心臓マッサージを施行され、呼吸が回復し

 た。失禁あり。その後意識は改善したが、10~20分程度傾眠傾向は

 持続した。本人は意識消失直前まで覚えている。

 精査のため当院へ紹介となった。


11:25 意識消失直後(心臓マッサージ後) 

     BP 136/97 mmHg、HR 126/min、

     SpO2 95%(room air)、BS 126 mg/dl

11:40 酸素投与・処置後 

     BP 88/51 mmHg、HR 70~80 台、

     SpO2 93%(O2 2 L/min)

12:05 救急車


【既往歴】

   30代 胃潰瘍で手術

   68歳 脳梗塞、高血圧で内服加療中

   1か月前に転倒し、右肋骨3本骨折

【生活歴】

    喫煙 20本/日×20年間(40代まで)

    飲酒 ビールジョッキ5-6杯/日(40代まで)

    アレルギー(-)

【定期内服薬】

    パナルジン(100) 2T  2x、ブロプレス(8) 1T 1x、

   ノルバスク(5) 1T 1x、    フリバスOD(25) 1T 1x、

   ブラダロン(200) 1T 1x、シムビコート2吸入 1日2回


意識:JCSⅠ‐1

vital:BP 120/68 mmHg、HR 71 /min、RR 24 /min、

   BT 37.2 ℃、SpO2 92 %(room air)

頸部:外頸静脈怒張(+)、胸鎖乳突筋の肥大(+)、鎖骨上窩の陥凹(+)    

   short trachea(+)

胸部:右肺野で呼吸音低下、wheeze(-)、crackle(-)、

   心雑音なし

腹部:膨隆、軟、右季肋部に圧痛(+)

四肢:冷汗なし、末梢冷感なし、浮腫なし

神経学的所見:指鼻指 試験 右でやや拙劣(もともと右麻痺)

       バレー徴候(-)


Problem List】

#1 意識消失、けいれん

#2 呼吸数増加、低酸素血症

#3 右呼吸音低下

#4 右季肋部痛

#5 胸部違和感

#6 腹部膨満感

#7 冷汗

意識消失の原因は何でしょうか?
頻呼吸を伴う意識消失?
どのように考えて精査していきますか?convulsive_seizure.html