20代 女性
左わきと左肩が痛いんです
20代 女性
左わきと左肩が痛いんです
医者は主訴を聞いたとたんに、とりあえずの診断が浮かぶ。そしてさらに症状を聞いていき、鑑別診断をあげていく。その中から診断をつけるためにさらなる問診や身体所見あるいは検査をおこない、絞り込む。最後にそれを確認する。
この診断過程を学生、研修医、中堅に分けて朝の勉強会でやってみました。
まずこの主訴で何を考えるか?(外来ベースで一見元気です)
学生:消化器疾患
研修医:腹部疾患
中堅:胸膜炎
腹部と胸部に別れましたが、さすがに中堅では腹部の痛みでも胸部疾患をあげてきました。肩の痛みは放散痛と考えた訳です。
さらに症状を聞いていきます。
左脇の痛みは?・・笑ったり息を大きく吸うと痛む。
左肩の痛みは?・・左脇と同時に痛む。
鑑別は?
全員胸膜炎になりました。
胸膜炎でいいかどうか症状を聞いていきます。
熱は?・・なし。
感冒症状は?・・なし。
咳・痰は?・・なし。
この時点で皆胸膜炎の自身がなくなりました。
やはり時系列できちんと聞いていかないとダメ。
3日前に安静時に急に下腹部痛が出現。結構痛かったが、しだいに症状は改善していった。その後痛みがだんだん上に上がってきて、昨日からは左脇と左肩が吸気時に痛い。今日は昨日より改善傾向とのこと。
鑑別は?
学生:腹部疾患、子宮外妊娠
研修医:STD
中堅:STD
となりました。
それではそれらを鑑別するためにさらに質問を。
生理は?・・昨日からで、いつも通り。最近の性交歴ないため妊娠の可能性ないと。STDの既往無く。帯下増加や性交痛などなし。
食欲や排便の変化は?・・いつも通り。
鑑別は?
よくわからなくなりました。
分院版納の表で考える事にしました。
Onsetは? 突然
分布は? 局在・・・血管・管(つまる、ひねる、はれつ)
外傷となる。
そうなると突然発症の下腹部痛ではじまり、肩に放散痛をおこす病態にひろがっていった病態?